クレジットカードを現金化したら自己破産できない？債務整理の選択肢やクレジットカード現金化のポイントを解説

出費がかさみ現金が足りないときの金策方法として、クレジットカードの現金化を検討する人もいるでしょう。しかしクレジットカードの現金化をすると、自己破産をはじめとした債務整理の手続きが難しくなる可能性があるため注意が必要です。

本記事では、クレジットカードを現金化すると本当に自己破産ができないのか、他の債務整理への影響やクレジットカード現金化のポイントとともに解説します。

※本記事は2023年12年15日時点の情報です。

クレジットカード現金化の基礎知識

クレジットカードの現金化は、カードのショッピング枠を現金に変えることを指します。現金化業者を利用すれば短時間で現金を得ることも可能で、直近の資金繰りに困っている場合には便利な金策の一つです。

しかし現金化カード会社からは認められていない使い方のため、利用にはリスクが伴います。金策の選択肢として検討しているなら、まずはクレジットカード現金化の仕組みを理解しておきましょう。

ショッピング枠を現金に変えること

クレジットカードの現金化とは、カードのショッピング枠を使って商品を購入・売却をしたりキャッシュバックを受け取ったりして現金を得る行為です。方法としては、自分で買った商品を転売する他、現金化業者の利用が挙げられます。

クレジットカードの現金化はショッピング枠を使うため、表向きは「カードを買い物に利用した」ことになり、借金扱いにはなりません。クレジットカードに設けられたキャッシング枠を使い切っていても、ショッピング枠に残りがあれば、その残額を現金化に利用することが可能です。

ただし、現金化した金額は後日カード会社の引き落とし日に支払う必要があるため、返済計画を立てて利用する必要があります。カードの利用額よりも受け取れる額は少なくなるため、直近の金策に対応できるものの、手数料分の損失は避けられないことも理解しておきましょう。

カード会社から認められていない使い方

クレジットカードの現金化は、カード会社が認めていない使い方です。本来ショッピング枠は買い物に利用する目的で設けられており、現金化は想定していません。

キャッシング枠が残っていない人がショッピング枠を使って現金化すると、カード会社は「返済されないリスク」を抱えることになります。

クレジットカードの現金化はカードの利用規約で禁止されており、知られた場合は以下のような処分を受ける可能性があります。

• 支払残高の一括請求
• カードの利用停止
• 強制解約

クレジットカードを現金化に使用し、カード会社から強制解約を告げられると、事故情報に登録されてしまうため注意が必要です。

クレジットカードの現金化は「不要なものを売った」だけなのか「現金化目的」なのかの判断が難しく、すぐに規約違反が見破られるとは限りませんが、現金化の方法は慎重に選択しましょう。

クレジットカードの現金化で自己破産ができなくなる？

自己破産とは、返済不能な借金がある場合に裁判所に申し立てを行い、破産法に基づいて返済義務を免除する免責手続きです。返済者に支払い能力がないと判断されれば、基本的に借金を0にできます。

ただし、クレジットカードの現金化は免責を認められない事由に当たる場合があるため、自己破産の可能性がある人は特に注意が必要です。クレジットカードを現金化に利用した場合の自己破産について、詳しく解説します。

自己破産には「免責不可事由」がある

破産法の第248条4項では、債務者が自己破産の手続きを始めると同時に、破産裁判所へ借金を免除してもらうよう頼む「免責手続き」も始めたと見なすとされています。

ただ、自己破産で借金を免除してもらうには、破産法に基づいて借金の支払いができないと認められなければなりません。破産法には、借金の返済義務を免除できない「免責不可事由」が定められており、これに当てはまってしまう場合は免責許可が下りない可能性があります。

免責不可事由は破産法の第252条1項に規定されており、免責許可が下りなければ債務の返済義務はなくなりません。破産法の一部を抜粋して、免責不可事由の例をご紹介します。
破産法第252条1項

“一　債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。”

“二　破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。”

“四　浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。”

“六　業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。”

※出典：e-Gov法令検索. 「破産法 第248条4項 第252条1項」

債権者（クレジットカード会社など）を害する目的や破産を免れようとする意図があった、浪費があった、本当は支払い能力があるのに隠していたなど、借金を免除するのが適切でないとされる行動が、免責不可事由に当てはまります。

クレジットカードの現金化は免責不可事由に当たる可能性あり

クレジットカードのキャッシング枠を使い切り、他に融資を受けられない多重債務の状況でショッピング枠を現金化した場合は、破産法第252条1項に挙げられている免責不可事由のうち、2号に当てはまります。

ショッピング枠を利用して得られる現金はカード会社への返済額よりかなり少ないため、その場しのぎはできても借金を増やす行為に変わりありません。これは「著しく不利益な条件で債務を負担」に該当します。

さらにクレジットカードの現金化は、カード会社に立て替えてもらい購入した商品を売って現金を得ており、「信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分した」に該当する行為です。

加えて浪費やギャンブルなどのためにクレジットカードを現金化した場合は、4号に当てはまる可能性もあります。

免責不可事由に該当しても免責を受けられるケース

クレジットカードの現金化を含め、破産法第252条1項の免責不可事由に該当する場合でも、必ずしも免責許可が下りない訳ではありません。破産法第252条2項では、自己破産に至った経緯や事情によっては、裁判所の裁量で免責許可を決定できるとしています。

とはいえ、裁判所の「裁量免責」を受けるには、きちんと手続きに取り組み生活態度が改善されていることが不可欠です。免責不可事由に当てはまっても、正直に申告した上で自己破産を申し立て、二度と同じことをせず健全な生活を心がけた場合、免責を受けられる可能性があります。

※参考：e-Gov法令検索. 「破産法　第252条第2項」

クレジットカードの現金化をしてもできる債務整理はある？

クレジットカードの現金化が破産法の免責不可事由に当てはまった場合、自己破産できない可能性が出てきます。ただし、現金化が免責不可事由に当たらない「任意整理」「個人再生」なら、債務整理できる場合が多い傾向です。それぞれの債務整理について解説します。

任意整理

任意整理は裁判所に申し立てをするのではなく、カード会社などの債権者と交渉して返済額の負担を減らす債務整理です。

交渉により毎月支払う返済額の利息のカットや、3～5年の長期分割払いで元本を返済する計画を立てます。複数のカード会社に債務がある場合は、その中の1社や数社だけ選んでの交渉も可能です。

任意整理は自己破産と異なり返済が前提で、破産法に基づいて進める手続きではないため、法的に定められた免責不可事由はありません。クレジットカードの現金化をしていても、手続きが可能な債務整理です。

ただし任意整理は債権者との交渉が必要なため、クレジットカードの現金化が債権者にとってマイナスイメージになる可能性があります。債権者次第で、交渉がまとまりにくいケースがあることも理解しておきましょう。

個人再生

個人再生は裁判所を通して、借金を大幅に減らしてもらう許可を得る債務整理です。減額された借金は、原則3年で返済する再生計画を立てます。

任意整理では返済額の利息はカットできても、基本的に元本は変わりません。しかし個人再生は元本自体を大幅に減らせるため、支払いの負担を大幅に軽減できます。

個人再生は破産法ではなく民事再生法に基づくため、破産法の免責不可事由は適用されず、クレジットカードの現金化をしていても使える債務整理方法です。

ただし債務総額が5,000万円を超えない小規模個人再生の場合は、民事再生法第222条で、債権者が異議を唱えることが認められています。さらに同法の第237条では、債権者の異議が総債権額の1/2を超えると、再生手続きができなくなると規定しています。

小規模個人再生でも、現金化に使ったクレジットカード会社の異議で多数決を得られなかった場合は、個人再生ができない可能性があります。

※参考：e-Gov法令検索. 「民事再生法 第222条、第237条」

債務整理に困ったら専門家に相談しよう

クレジットカードの現金化による借金やその他の債務で苦しいときは、債務整理の専門家に相談しましょう。

自己破産や任意整理、個人再生といった債務整理は、専門的な知識がない限り個人で進めるのは困難です。債務整理に関わる法律や決まりは複雑で、手続きに必要な書類の準備や債務の計算など、素人では判断が難しいケースが多くあります。

クレジットカードの現金化が破産法の免責不可事由に該当するかどうかも状況によって変わる他、任意整理の場合は債権者との交渉も必要など、難易度が高いのが実情です。

交渉が必要な場合、個人ではそもそも応じてもらえないケースもあります。専門家に依頼する方が負担を軽減でき、不備も少なく進められるでしょう。

トラブルを避けてクレジットカードを現金化するには

クレジットカードの現金化は、安易に繰り返したり複数のカードで現金化を続けたりすると返済額が膨らみ、状況によっては自己破産に追い込まれるリスクもあります。

クレジットカードの現金化で起こり得るトラブルをできるだけ避けて現金化するためにも、次に解説するポイントを押さえて行動しましょう。

返済計画をしっかり立ててから臨む

クレジットカードの現金化は、返済計画をしっかり立てた上で、カード利用額の引き落とし日に支払い可能な金額に留めましょう。

翌月の引き落とし日に支払えない金額を現金化してしまうと、カード会社への返済が滞り多重債務に陥るケースも少なくありません。3回以上の分割払いやリボ払いはカード会社への手数料や利息も発生するため、より慎重な返済計画が必要です。

また、クレジットカードの現金化で実際に得られる現金は、カードを使った額の7～8割です。カード会社には満額支払う必要があるため、2～3割の損失が発生することになります。これは20～30％の高い金利で借金をしているのと、実質的にあまり変わりありません。

現金化は利用者からすれば金利の高い借金と大きく変わらないため、どうしても必要な額だけにとどめ、安易に繰り返さないことが大切です。

複数カードの現金化は控える

クレジットカードが複数枚あると、それぞれのカードを使って現金化できます。ただ、現金化するのは極力1枚に絞りましょう。

現金化業者の中には、複数のカードでそれぞれ商品を購入し、ショッピング枠を合算して現金を受け取れる業者も多数あります。しかし複数枚のカードを現金化すれば、管理が行き届かなくなる可能性が高く、払い忘れや残高不足といった問題が起きかねません。

管理漏れを防いでしっかりと返済できるよう、現金化に利用するカードは1枚だけに決めて他は使わないとルール化しておくのが、トラブルを防ぐポイントです。

依頼するなら優良業者を選ぶ

クレジットカードを現金化するなら、自分で行うよりも、優良な現金化業者に依頼する方法がおすすめです。

現金化を自分で行うとカード会社に知られる可能性が高い他、商品を買い取ってもらい現金を得るまでに時間や手間を要します。優良業者なら領収書や納品書を発行し、売買取引として現金化をするため、カード会社に知られるリスクを抑え、普通の買い物と同じような取引が可能です。

即日対応してもらえる業者が多く、すぐに現金が必要なときに助かるメリットもあります。悪質な業者を選んでしまうと、割高な手数料を取られ損失が増えるリスクもありますが、優良業者なら利用者が納得できる額の手数料（換金率）で取引できる可能性が高いでしょう。

クレジットカード現金化の優良業者を選ぶポイント

クレジットカードの現金化を業者に依頼する際は、優良業者を選ぶことが大切です。とはいえ、優良かどうかの見極め方が分からない人もいるでしょう。

優良業者を選ぶときのポイントは「運営実績の長さ」や「対応の品質」です。満足できる取引をするためにも、換金率だけで決めないよう注意しましょう。

運営実績の長さ

多くの現金化業者は自社を利用してもらうために高い換金率やスピード対応をうたっています。換金率や対応スピードは、実はどこの業者もそれほど大差はありません。

優良業者は、換金率やスピード対応はもちろん、利用者の満足度を重視している傾向にあります。クレジットカードの現金化業者が多数あり競争が激しい中で、運営実績の長い業者は利用者の満足度が高く、優良業者であると判断できるでしょう。

長く利用されている優良業者なら、納得できない額の手数料を取られたり電話相談の対応が悪かったりといった心配が少なく、満足のいく取引が期待できます。

対応の品質

優良業者の見極めには、スタッフの対応の丁寧さや説明の分かりやすさも重要です。特に初めて現金化する場合は、業者ごとに料金システムや手続きのステップが異なり混乱する可能性があります。

現金化を申し込んだ後は、業者からの電話で本人確認とサービス説明を受けるのが基本です。そのときに質問や相談をしてスタッフが丁寧に答えてくれるか、対応品質を見極めましょう。キャンセル可能か確認した際に、快く応じてもらえるかもポイントです。

運営実績が長いクレジットカード現金化の優良業者

初めてクレジットカードの現金化をするなら、長く利用され続けている優良業者を選びましょう。数あるクレジットカード現金化業者の中から、運営実績が15年以上の優良業者を、サービスの特徴とともに紹介します。

1.スマイルギフト

スマイルギフトは1999年に創業した、長い運営実績を持つ現金化業者です。それだけ多くの利用者が納得して利用してきた証拠でしょう。換金率は申し込む金額が高いほど上がる仕組みで、1万〜30万円と比較的少額でも最高92％です。

Webからの申し込みなら24時間年中無休で受け付けています。最短3分とスピーディーな対応なので、急な出費の際にも便利です。

スマイルギフトの詳しい情報はこちらの記事で紹介しています。
スマイルギフトは業界トップクラスの換金率・お客様満足度！？知らないと損する情報を紹介

2.あんしんクレジット

あんしんクレジットは2000年に創業した、大手の現金化業者です。公式サイトによると、多くの利用者が即日入金を実現しています。

Web申し込みの後は振り込みまで専属オペレーターがサポートしてくれるため、不安を解決できスムーズな取引をしたい人におすすめです。過去のカードトラブルは0との記載も公式サイトにあります。

あんしんクレジットの詳しい情報はこちらの記事で紹介しています。
あんしんクレジットは20年超の老舗でトラブル0件！全てのクレジット・金融機関にも対応

3.ひまわりギフト

ひまわりギフトは2000年に創業した現金化業者です。利用者の個人情報はもちろん、クレジットカードの現金化を行ったことも秘密厳守のため、カード会社だけでなく周囲にも現金化を知られないよう対応してくれます。

毎月15日の「ひまわりの日」は申し込み額に応じた換金額が3％アップするのも魅力です。急いでいない場合は、15日を待って申し込むのもよいでしょう。

ひまわりギフトの詳しい情報はこちらの記事で紹介しています。
ひまわりギフトは毎月15日に申し込むと換金率3％アップ！創業20年の魅力も解説

4.らくらくマネー

らくらくマネーは2000年に創業した現金化業者です。全てのクレジットカードに対応しています。日本国内で振り込みに対応していない金融機関もありません。

換金率は他の業者に劣らず高く、1万〜10万円と比較的少額でも最高91%となっています。換金率は利用者の状況やタイミングによって変わるため、実際に振り込まれる額は申し込んで質問しましょう。

らくらくマネーの詳しい情報はこちらの記事で紹介しています。
【対応力★5】らくらくマネーの口コミ・評判は？5つの特長や利用時の注意点を解説

5.セーフティサポート

セーフティサポートは2000年に創業した現金化業者です。公式サイトによると累計6万人以上の利用者がおり、満足度の高いサービスを提供していると伺えます。丁寧な料金説明や、伝えた換金率以外の手数料を取らない明朗決済が魅力です。

指定銀行であれば土日含め24時間振り込みが可能なため、夕方以降や休日に急な出費が生じた場合にも使えます。　

セーフティサポートの詳しい情報はこちらの記事で紹介しています。
セーフティサポートは累計60,000人も利用中！高換金率と魅力的な仕組みについて解説

6.パーフェクトギフト

パーフェクトギフトは2006年に創業した現金化業者です。紹介してきた現金化業者の中では歴史が浅いものの、公式サイトによると過去の取引でのカード事故はなく、お客様満足度も高いとされています。

個人情報は徹底管理されている上、オペレーターの丁寧な対応を受けられるのも魅力です。伝えられた換金率の他に、利用手数料などの手数料を取られることはありません。新規利用者向けの特典があるのも魅力的です。

パーフェクトギフトの詳しい情報はこちらの記事で紹介しています。
パーフェクトギフトの口コミ・評判は？安全性の高さも徹底解説【初回利用は換金率アップ】

まとめ

クレジットカードを現金化に利用すると、破産法で定められた免責不可事由に当てはまり、自己破産ができなくなる可能性があります。安易にクレジットカードの現金化を繰り返すと借金が膨らみ、自己破産や他の債務整理を検討せざるを得ないときに手続きを進められなくなるかもしれません。

クレジットカードの現金化は必要な分だけに留め、完済できる返済計画を立てた上で利用しましょう。

現金化業者を使う場合は、しっかりと優良業者を見極めて依頼する必要もあります。本記事で紹介した現金化業者は、運営実績や対応品質に強みのある優良業者です。クレジットカードの現金化を検討している人は、換金率や運営実績、カード事故の回数などをチェックしてみましょう。